第321回彩の国シネマスタジオ 埼玉会館小ホール(JR浦和駅)

 ©2021 Memento Production - Asghar Farhadi Production - ARTE France Cinéma

『英雄の証明

【日時】10月8日(火)

10:30/14:30/18:30

 

★アフターセミナー開催 14;30の回終了後

 

  「中東・イスラーム世界とSNS」 

 ゲスト:佐野 光子さん(アラブ映画研究者

 

第74回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞、第94回アカデミー賞国際長編映画賞ショートリスト

 

美談の英雄に祭り上げられた男―― ペテン ペテン ペテン 彼は本物の英雄か、詐欺師(ペテン師)か

 

2度の米アカデミー賞受賞監督アスガー・ファルハディ。 社会に渦巻く歪んだ正義と不条理を、現代に生きる私たちに突きつけてくる 極上のヒューマン・サスペンス。

 

2011年の『別離』でベルリン国際映画祭にて3冠に輝き、2016年の『セールスマン』ではカンヌ国際映画祭の男優賞、脚本賞 をダブル受賞。この2作品で米アカデミー賞外国語映画賞も制したアスガー・ファルハディ監督は、今や誰もが認める世界的な 巨匠である。母国イランとヨーロッパを股にかけて活躍するファルハディ監督は、人間と社会の本質に鋭く切り込む傑作を世に 送り出してきたが、緻密な脚本や演出力に裏打ちされたその作風は、このうえなく濃密なサスペンスの要素をはらんでいる。ごく 穏やかな日常の中に生じた小さなひび割れのような出来事が、登場人物の人生を根底から揺るがす事態に発展していく様 を、張り詰めた緊張感を持ちつつ情感豊かに描出。その比類なきストーリーテリングの妙技が世界中の観客を魅了してきた。  ファルハディ監督の長編第9作『英雄の証明』は、数多くの古代遺跡が現存する南西部の古都シラーズを舞台に、借金苦に あえぐ男に突然舞い込んだ苦境打開のチャンスを描くサスペンスフルな物語。手にした金貨は、幸運な奇跡か、それとも神が 与えた試練なのか。主人公の何気ない“選択”が思いもよらない社会現象を起こし、父親を信じる無垢な子供をも残酷に巻き込 んだ大事件を招き寄せてしまう予測不可能なストーリー展開からひとときも目が離せない。第74回カンヌ国際映画祭でグランプ リを受賞し、2021年度の米アカデミー賞国際長編映画賞・ショートリストにも選定されている本作は、まぎれもなくファルハディ監 督の新たな代表作となるだろう。

 

大きな正義感と小さな嘘。 「賞賛」と「疑惑」が交錯するソーシャルメディアの光と闇。 汚された名誉、狂わされた人生の行方は-

 

 元看板職人のラヒムは借金を返せなかった罪で投獄されている服役囚だ。そんな彼の婚約者が、偶然にも17枚の金貨が 入ったバッグを拾う。それは将来を誓い合った恋人たちにとって、まさしく神からの贈り物のように思えた。借金を返済さえすれ ば、その日にでも出所できるラヒムは、金貨を元手にして訴訟を取り下げてもらおうと奔走するも示談交渉は失敗。いつしか罪 悪感を持ち始め、金貨を落とし主に返すことを決意する。するとそのささやかな善行は、メディアに報じられ大反響を呼び“正 直者の囚人”という美談の英雄に祭り上げられていく。吃音症の幼い息子もそんな父の姿を誇らしく感じていた。借金返済 のための寄付金が殺到し、出所後の就職先も斡旋されたラヒムは、未来への希望に胸をふくらませる。ところがSNSを介して 広まったある噂をきっかけに状況は一変し、周囲の狂騒に翻弄され、汚された名誉を挽回するためラヒムは悪意のない嘘を ついてしまう……。  “英雄”ラヒムをめぐって、彼の行いを褒め称える者、利用しようとする者、疑惑の眼差しを向ける者たちの思惑が絡み合う本 作は、人間の倫理観を問うサスペンス劇である。ファルハディ監督はそうした普遍的なテーマを追求するにあたって、いまや世界 中で絶大となったSNSやメディアの影響力に着目。英雄として持ち上げられ、一方で詐欺師と呼ばれるラヒムのとてつもなく振れ 幅の大きな運命を通して、真実というものの曖昧さや、社会に潜む欲望とエゴを現代的な切り口であぶり出す。

 

2021年/イラン・フランス/ペルシア語/2.39:1/5.1ch/127分 原題:GHAHREMAN/英題:A HERO/日本語字幕:金井厚樹/字幕監修:ショーレ・ゴルパリアン 配給:シンカ 提供:シンカ、スカーレット、シャ・ラ・ラ・カンパニー、Filmarks 後援:イラン・イスラム共和国大使館イラン文化センター 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本




第322回彩の国シネマスタジオ 蕨市民会館コンクレレホール(JR蕨駅)

©中澤日菜子・講談社/2016映画「お父さんと伊藤さん」製作委員会

『お父さんと伊藤さん』

【日時】10月17日(木)

10:30/14:30

 

「この家に住む!生活費は自分で払う!」

息子夫の家を追い出されたお父さんが選んだのは・・・

娘の彩と20歳年上(1)の彼氏・伊藤さんが同棲するアパート。

 

3人の共同生活は、嵐のように、突然始まったー!

 

お父さんは、ボストンバックとの箱を持って彩たちの家に突然やってきた。

とんかつにかけるソースの味について激論を交わす夕食。うすい壁一枚で仕切られた隣の部屋にいるお父さんの存在にあたふたする夜。

お父さんと伊藤さんの間に不思議な友情が芽生えていく日曜日の午後・・・

爆弾のように激しい性格のお父さんは、彩たちの穏やかたった日常を一変させてしまう。

それでも毎日のちょっぴりおかしなハプニングを経て、3人がひとつの家族のようになりかけた矢先・・・

「しばらくでかける』情けない文字で書かれた置き手紙がひらりと一枚机に置かれ、行方不明に。すれちがう3人の心が通じ合う

 

日は、果たして訪れるのかー?お父さんが彩たちの家にやって来た、本当の意味とはー!?

 

すれちがう3人の心。

 

やがて訪れる別れの朝。その時彼らはどんな未来を選ぶのかー?

 

自分のペースで、日々の暮らしを大切に生きる女性・彩を上野樹里、ウイットに富み飄々と生きている彼氏・伊藤さんをリリー・フランキー、そして、頑固ながらも愛くるしい一面を持つ父親役に藤竜也。三人の軽快な会話の掛け合いはくすりとした笑いを含みながらも、時に涙を誘う展開へ。登場人物の心の機微を描くのに定評がある監督・タナダユキが、キレイごとだけで済まされない娘と父親の関係を中心に、家族という存在を、鋭くも温かな視点で描きました。そして、ユニコーンによるエンディングテーマ「マイホーム」が真やかに家族の物語を締めくくります。

 

上野樹里 リリーフランキー/長谷川朝晴 安藤 聖 渡辺えり/藤竜也

原作:中澤日菜子「お父さんと伊藤さん」(講談社刊) 脚本:黒沢久子 監督:タナダユキ


第323回彩の国シネマスタジオ 彩の国さいたま芸術劇場 映像ホール(JR与野本町駅)

© 2020 Falling Films Inc. and Achille Productions (Falling) Limited· SCORE ©2020 PERCEVAL PRESS AND PERCEVAL PRESS INC. · A CANADA - UNITED KINGDOM CO-PRODUCTION

『フォーリング 50年間の想い出』

【日時】10月23日(水)~10月27日(日)

10:30/14:30 

 

★アフターセミナー開催 10月26日(土)14;30の回終了後

  「言葉にできなかった思いを確かめ合う親子の物語」 

 ゲスト:菊池 友宏さん(NPO法人ReMinnd 副代表、理学療法士

 

アカデミー賞®作品賞『グリーンブック』主演の ヴィゴ・モーテンセン初監督作品

認知症を抱える父との再会をきっかけに辿る50年間の記憶 言葉にできなかった想いを確かめ合う親子の物語

 

 「サンダンス映画祭を沸かせた最高の感動作!!」(The Hollywood Reporter)、「クリント・イーストウッド監督作品を彷彿 させる」(Variety)と、全米の一流メディアが大絶賛する注目作が、いよいよ日本にもやって来る。  『ロード・オブ・ザ・リング』(01~03)3部作のアラゴルン役で世界的人気を獲得し、『イースタン・プロミス』(07)『はじまりへ の旅』(16)『グリーンブック』(18)で3度アカデミー賞®にノミネートされた名優ヴィゴ・モーテンセンが、遂に監督デビュー。「母 親の葬儀からの帰りに思いついた」と語る自身の親子関係を反映した半自伝的な脚本と、魂に語りかけるような音楽も手掛け、 さらに認知症の父を持つ息子役で出演も果たし、これまでのアーティスト人生で培ってきた才能のすべてを注ぎ込んだ。  航空機のパイロットを務めるジョンは、パートナーのエリック、養女のモニカとロサンゼルスで暮らしている。ある日、田舎で 農場を経営するジョンの父親ウィリスが認知症を発症し、引退後に住む家を探すためにジョンのもとへとやって来る。思春期 の頃から、進歩的なジョンと保守的な父親との間には、ずっと埋まらない心の溝があった。だが、認知症のために過去と現在 の出来事が混濁してゆく父と向き合ううちに、親子の50年間の記憶がとめどなく溢れ出していく──。

 

国際的に活躍する演技派俳優たちが紡ぐ 困難な時代に光を届けるヒューマンドラマ

 

 ウィリスには、『エイリアン2』(86)『ターミネーター』(84)のランス・ヘンリクセン。認知症で息子に頼らなければ生きていけなくなっ た父を、正面から逃げることなくリアルに演じきった。うまく愛情を表現できない若き日のウィリスには、『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』(17)でボルグに扮し、ヨーロッパ映画賞にノミネートされたスヴェリル・グドナソン。  父を反面教師に、都会的で洗練された生き方を選んだ息子のジョンを演じるのが、ヴィゴ・モーテンセン。ジョンの妹のサラには、 『マイ・ライフ、マイ・ファミリー』(07)などで3度アカデミー賞®にノミネートされた演技派俳優、ローラ・リニー。父の愛を求める 娘の切ない気持ちを見事に表した。父と息子それぞれの回想の中で、美しく輝き続けるグウェンには、『ジョーカー』(19)のハ ンナ・グロス。  言葉にできなかった喜びや悲しみ、愛情や怒りを互いにぶつけ合い、共に歩んできた人生の意味を確かめ合おうとする、 不器用な父と繊細な息子。やがて息子は、父の秘めた想いに初めて気づくのだが──。たとえ幾度も切れたとしても、必ずま た繋ぐことが出来る、親子の絆を描くヒューマンドラマ。

 

監督・脚本:ヴィゴ・モーテンセン 出演:ランス・ヘンリクセン、ヴィゴ・モーテンセン and ローラ・リニー

[2020年/カナダ・イギリス/英語・スペイン語/112分/カラー/シネスコ/5.1ch /原題:FALLING /字幕翻訳:高内朝子] 提供:木下グループ 配給:キノシネマ




第324回彩の国シネマスタジオ 彩の国さいたま芸術劇場 映像ホール(JR与野本町駅)

©2016 Pepito Produzioni 

『ナポリの隣人』

【日時】11月13日(水)~11月17日(日)

10:30/14:30 

 

★アフターイベント開催予定 

 

父と娘の確執、つかの間の疑似家族、

そして事件は起こった・・・

 

南イタリア、ナポリ。リタイアし、かつて家族と暮らしたアパートに独り暮らす元弁護士のロレンツォ娘のエレナはアラビア語の法廷通訳で生計を立てるシングルマザー。母の死の原因が父の裏切りによるもの、と信じ、父を許せないでいた。

気難しいところのあるロレンツォだが、向いの家に引っ越してきた若い夫婦ファビオとミケーラ、二人の子どもたちと親しくなり、お互いの家を行き来し合う疑似家族のような関係になる。

しかしその平穏な日々は、幸せに見えた一家に起こった思いがけない事件で、突然幕を閉じることになる。その時、ロレンツォは?実の娘エレナは?二人に和解の道はあるのか?

 

現代を描く“21世紀のネオレアリズモ”ともいうべき新たな傑作!

 

障碍を持つ実の息子と15年ぶりに対峙する父親を描く『家の鍵』(’04)、アルベール・カミュ未完の自伝的遺作を映画化した『最初の人間』(’11)等、人と人との繋がりを、時に冷徹に時にやさしさを込めて描いてきた、イタリアの名匠ジャンニ・アメリオ監督、待望の最新作は、ミステリアスな事件を背景にした、父と娘の相の物語。

分かり合えず、すれ違う家族の心情、他者との繋がりが希薄になった地域社会・。“家族主義の国イタリア”、“人情溢れる下町ナポリ”というイメージを覆す、現代に生きる人々の心の開を容赦なく描き切り、観る者の心をゆさぶる“21世紀のネオレアリズモ”ともいうべき衝撃作です。

 

イタリアの映画賞を席捲!

名優たちによる見事なアンサンブル!

 

 

主演の名優レナート・カルペンティエーリは、本作でダヴィッド・ディ・ドナテッロ質(イタリア・アカデミー賞)、イタリア・ゴールデングローブ賞、ナストロ・ダルジェント賞というイタリアの国内主要映画賞で三冠を達成。ジョヴァンナ・メッゾジョルノ(「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」)、ミカエラ・ラマッツォッティ(「歓びのトスカーナ』)という、現代イタリア映画界を代表する二人の女優も、各映画賞にノミネートされる名演を見せ、国際派女優グレタ・スカッキ(「三人姉妹』)も陰影に富んだ印象深い役どころで久々に登場する。撮影は「グレート・ビューティー/追憶のローマ」の名手ルカ・ビガッツィ。原作はイタリアを代表するベストセラー作家ロレンツォ・マローネの「La tentazione di essere feici」(幸せであることの誘惑)。

 

 

監督・原案・脚本:ジャンニ・アメリオ

原作:ロレンツォ・マローネ 「La tentazione di essere felici」

原案:アルベルト・タラッリョ、キアラ・ヴァレリオ

脚本:アルベルト・タラッリョ

撮影:ルカ・ビガッツィ

音楽:フランコ・ピエルサンティ

出演:レナート・カルペンティエーリ / ジョヴァンナ・メッゾジョルノ / エリオ・ジェルマーノ /グレタ・スカッキ / ミカエラ・ラマッツォッティ

原題:LA TENEREZZA (イタリア映画祭2018上映題「世情」)/ 2017年 / イタリア / イタリア語 / 108分 / シネマスコープ  / Dolby digital / 字幕翻訳:岡本太郎

提供:ザジフィルムズ、朝日新聞社 / 配給:ザジフィルムズ

後援:駐日イタリア大使館/イタリア文化会館




【シネマスタジオとは?】

NPO法人埼玉映画ネットワーク主催の映画上映会。

各会場とボランティアスタッフのサポートのもとで定期的に映画上映を行い、身近な場所で世界の多様な作品を観られる場所と機会を提供しています。

 

【当上映会のシステム】

当日券・回数券のみ/お支払いは現金のみ/全席自由/各回入替制

◎チケットは各回上映分を9時30分より販売開始(当日券のみ)

 ※会場や作品によって例外があります。詳細はホームページ・チラシ・各種SNSにてご確認ください。

 

【料金・サービスのご案内】

一般1,100円/小中高生600円(要学生証)

回数券

 11枚つづり11,000円。切り離し利用可。3年間有効。

スタンプカード(チケット兼用)

 鑑賞した映画の作品名のスタンプを押します。10個集めると1回無料で鑑賞できます。

 鑑賞履歴にもなります。

特別興行の場合、料金が変わる場合がございます。

 

【上映会場】

詳しくはコチラ

①彩の国さいたま芸術劇場(JR「与野本町駅」)

②埼玉会館(JR「浦和駅」)

③蕨市民会館(JR「蕨駅」)

 

【アフターイベント】

◎3種類のアフターイベントを実施!

 「アフタートーク」映画関係者の話を聞いてみよう!

  映画関係者によるトーク(映画監督、原作者、プロデューサー、出演者など)

 

 「アフターセミナー」作品の背景を知り理解を深める!

  専門家によるセミナー(その道の専門家・識者、大学教授など)

 

 「アフターライブ」で盛り上がろう!

   上映作品に関連するライブパフォーマンス(音楽家、芸術家、芸人など)

 

*上映会期間中の他の回を鑑賞したお客様であれば、

 スタンプカードの提示で、イベントにご参加いただけます。

特定非営利活動法人 埼玉映画ネットワーク

〒330-0063 埼玉県さいたま市浦和区高砂2-3-10黒澤ビル3階

電話 048-762-9407(携帯電話 080-1368-7399)

Fax 048-762-9427

E-メール info@eiganetwork.or.jp

 

*土日祝日および各イベントの翌日は原則お休みを頂いております。

*訪問される際は必ず事前の連絡をお願いいたします。